コラム

テクニカルサポートの仕事とは?仕事内容や必要性、需要の予測

2022年02月25日
エンジニアの種類

パソコンやソフトウェア製品などを購入した後、不具合で動かなくなってしまったり、操作方法が分からず、途方に暮れた経験はないでしょうか。その際、疑問やトラブルを解消し、製品を快適に活用するための頼れる存在として、テクニカルサポートはユーザーから一定の需要があります。

また技術的な側面での需要のみならず、企業側にもテクニカルサポートの設置によって一定のメリットがあることから、昨今少しずつ企業側からテクニカルサポートに対しての需要が増え始めています。

当コラムでは、改めてテクニカルサポートの仕事内容から、なぜ企業にとってテクニカルサポートの需要があるのかをまとめました。また、テクニカルサポートを活用するうえで知っておきたいポイントや、活用や育成時に課題として挙がりやすいポイントもあわせて解説します。

テクニカルサポートとは

概要

ユーザーからもらう問い合わせに対し、技術的な視点から解決策を提示する職種です。対象となる問い合わせ内容は、製品やサービスを使用することで発生する悩みであり、この悩みを解決することがテクニカルサポートの役割となります。

ヘルプデスクとの違い

テクニカルサポートと混同されやすい単語に「ヘルプデスク」があります。両者の相違点としては、対応を行う顧客の所属です。

テクニカルサポートは「社外」の顧客、ヘルプデスクは「社内」の顧客を対応するポジションとして、区分されていることが一般的です。

とはいえ、明確に両者の役割が定義づけられている訳ではなく、企業によってはどちらかが同じ役割を担っているケースもあります。

仕事内容

問い合わせの受付

ユーザーから受けた問い合わせに対し、状況のヒアリングから、解決策の提示までを行います。基本的なやり取りは、電話やメールが中心です。口頭で説明を行うだけでなく、時には実際の現場に足を運んだり、オンラインでパソコン画面を共有しながら、操作を行いサポートすることもあります。また、その場で解決できない場合は、別途システム開発者など、関連部署・担当者との連携も行います。

トラブル解決に向けた調査

どのような状況でトラブルが発生しているか、データ集計を担うケースもあります。対応した問い合わせの一連をデータベースとして整理するほか、他部署からの指示に応じて、トラブルが発生しやすい状況の調査を行う場合もあります。

トラブル防止のための作業

上記調査結果をもとに、具体的な作業を行う場合もあります。例として、ユーザー向けのマニュアル作成や、ハードウェア・ソフトウェア更新、また改善のための意見出しなどが挙げられます。

テクニカルサポートの必要性

テクニカルサポートを導入する企業が増えている背景のひとつに、「CX」があります。以下ではCXとは何か、またテクニカルサポートがCXに対してどのような影響を与えるのか、ご紹介します。

CXとは

CXとは「顧客体験価値」、すなわちユーザーが製品を購入する前から購入後に至るまで、製品の情報や利用によってユーザーが体験する一連の価値を指します。

CXの重要性

定性的な品質価値の醸成

あらゆるモノ・コトにおいて、現代では「品質」や「価格」といった、スペックだけでの差別化は難しくなりました。この変化に伴い、ユーザーが製品を選ぶ新たな基準となったのが「情緒」です。たとえば、あるユーザーがその製品を使ったり、未購入であるものの、製品のCMやプロモーションに触れたとします。その際、「より便利で生活が豊かになった」「嬉しい気持ちになった」など感情が動かされた場合、その製品の「ブランドイメージ」として好印象を与えられるということです。定量面だけでは難しかった差別化ですが、製品を通じて得られた体験で差別化を図る時代へと変化したことから、近年CXは重要視されはじめています。

顧客との接点増加

製品のPRにおいて、一昔前は提供元からユーザーへ、一方通行のアピールをすれば、ある程度のユーザーを獲得できる時代でした。しかし、インターネットやSNSによって、個人の発信力が高まった結果、現在は「製品のよさ」が製品元以外の第三者によって発信されるようになりました。すなわち、より多くのユーザーが「製品を通じてよりよい体験ができた」と実感し、さらに発信をしてもらえれば、意図せずともそのユーザーが製品の広告塔となります。広告費を支払うよりも宣伝コストが抑えられる分、ユーザー個々が得られる体験価値は非常に大切だと考えられるようになったのです。マーケティングにおいても、この考え方は非常に有効とみなされており、ユーザー個々の発信力に対する期待はますます高まりを見せています。

CX向上によってもたらされるメリット

CXを向上させることにより、以下のメリットをもたらします。

顧客離れの防止とリピーターの獲得

新規ユーザーの獲得後、継続的に製品を活用してもらううえで、CX向上は価値を発揮します。スペックだけで購入した場合、類似品が世に出回った際に替えがきくことになりますが、ここにCXが加わると、製品使用のメリットにより独自性が増します。

企業に対するファンの増加

先述の通り、CXは企業のブランドイメージとしても貢献します。仮に製品未購入だったとしても、そのイメージが良好であれば、いずれ購入層へと変化する可能性があるからです。長期的な経営戦略の目線で見ても、CXは効力を発揮するといえます。

CXとテクニカルサポートの関連性

本題に戻り、CXとテクニカルサポートの関係性について解説します。

CX向上において、テクニカルサポートが寄与するフェーズは「購入後のアフターフォロー」にあるといえます。テクニカルサポートへの問い合わせは、ともすると製品から生じる疑問・課題によって顧客が「不満」をもっているケースも少なからずあります。しかし、テクニカルサポートの応対と提示された解決策によって、その不満が解消されれば、製品に対する「快」の気持ちが芽生えます。この一連も、ある種のCXといえるでしょう。

また、万が一テクニカルサポートの応対に不備や怠慢などがあれば、テクニカルサポート担当だけでなく、製品ないしは企業イメージの低下につながる恐れがあります。このことから、CX向上とテクニカルサポートは密接に関連しており、企業側にとっても重要な存在であるといえるのです。

テクニカルサポートを活用するうえで求めておきたいスキル

コミュニケーションスキル

テクニカルサポートに求められるコミュニケーションスキルは、大きく分けて2つに分けられます。

ヒアリングスキル

ユーザーは想定外のトラブルで、要点を理路整然と伝えられない状況になっている可能性もあります。その中でも、置かれている状況を把握するため、多角的に質問を投げかけ、適切に状況を判断するための力が必要となります。

難しい知識をかみ砕いて伝えるスキル

問い合わせを行うユーザーは、必ずしもITリテラシーが高いとは限りません。時には、自分自身が当たり前だと感じていた知識でも、相手は知らない可能性もあります。あくまでもフラットな目線で、初心者に分かりやすく説明できるスキルが求められます。

取り扱う製品の知識

テクニカルサポートには、製品に対する一定の理解も求められます。問い合わせ内容によっては、システムエンジニアレベルの知見を必要とするケースもあるでしょう。企業によってはマニュアルが用意されているケースもありますが、問い合わせ内容は、必ずしも想定されたものばかりではありません。根本的な原因を探るうえでは、最低限のスペックを把握しておく方が賢明です。

問題を切り分けるスキル

問い合わせの中には、複数の課題や原因が紛れていることもあります。コミュニケーションスキルでも述べた通り、相手がIT・製品に対する理解が浅い場合、特になりやすいケースといえます。問い合わせ内容の中で、何が原因でその課題が生まれているのか、またどの事象にフォーカスすれば問い合わせ内容が解決できるのか、技術的な視点をもとに適切に判断するスキルも求められます。

テクニカルサポートの年収相場

転職サービス「doda」が2021年12月に公表した「平均年収ランキング(※)」によると、テクニカルサポートの平均年収は「411万円」とのデータが出ています。

企業規模やエリア、テクニカルサポート担当者の年代によって多少の変動はありますが、テクニカルサポートの雇用を検討しているのであれば、一定の年収相場として見据えておくとよいでしょう。

※出典:平均年収ランキング(165職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】(転職サービス「doda」)

テクニカルサポートの需要や将来性

テクニカルサポート自体は安定した需要と人員母数がある

上述の「CX」の観点から、テクニカルサポートの有用性に着目する企業も多く、需要自体は市場全般で一定発生しているといえます。また、一定の開発経験やプログラミング経験などの深い専門知識が求められるケースは少なく、ある程度の製品知識とコミュニケーションを兼ねそろえれば、未経験からでも即戦力としての活躍を期待できます。IT人材は比較的レッドオーシャンと言われる中で、経験やスキルのハードルを下げれば、一定着実な獲得が望めるといえるでしょう。

独学でのスキルアップ・キャリアアップは難しい可能性がある

その一方で、テクニカルサポート採用後のスキル向上やキャリア形成の体制づくりに関しては、苦戦する企業も少なくないようです。募集時には開発に必要な知識や経験を不要とするケースが多い分、テクニカルサポート業務に関する知識を身に付けたり、資格取得などでスキルの幅を広げられますが、製品に関してのアプローチはパターンも多く限定的になりがちです。そのため身に付いたスキルの汎用性は、開発エンジニアと比較して相対的に低くなります。この点から、さらなるスキル・キャリアアップを目指し、新たなキャリアパスや転職を考えるテクニカルサポートも多くなりやすいといえます。

テクニカルサポートの活用や育成を行いたいと思ったら

ここまで、テクニカルサポートの仕事内容から必要性、市場での需要などを解説しました。

テクニカルサポートを活用し、CXの向上を図りたい場合、技術的な知見とコミュニケーションの双方がバランスよく求められます。未経験でも活躍できる分、開発エンジニアと比較すると獲得はしやすいものの、育成の観点で課題を抱えられている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

解決策としては、教材の購入や、外部研修やセミナーの活用といった、教育への投資が挙げられます。しかし書かれていることやアドバイスが広義的で、自社でどのように適用させればよいか分からないケースも想定されます。

この場合の解決手段として、「外部人材」の活用を検討してみるのも一つの方法かもしれません。外部人材に、直接現状をヒアリング、ないしは直接現場を見てもらうことで、より現場に即したアドバイスをもらえます。

なお、フリーランスITエンジニア専門エージェント「i-common tech」では、テクニカルサポートの経験者から、教育的側面からコンサルティングを行えるエンジニアまで、幅広く経験とスキルを兼ねそろえたフリーランスエンジニアが活躍しています。少しでも興味をお持ちいただけましたら、まずはお気軽にお問合せください。

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