コラム

PdM(プロダクトマネージャー)に求めるべきスキルセットとは?責任を持つ業務や協業時の注意ポイントなど

2021年12月23日
エンジニアの種類

PdMとは、Product Managerの略文字で、直訳すると「プロダクトの責任者」となります。プロダクト開発を推進するうえでキーマンとなる存在ですが、その役割や、どのような業務範囲を担うのか、そしていざ設置を検討する際、どのような人材を獲得すべきか、お悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで当コラムでは、PdMのそもそもの管轄範囲から、責務を果たすためにはどのような人材を求めるべきか、PdMに必要なスキルセットとともに解説します。

PdM(プロダクトマネージャー)とは?

PdMの役割をひも解いていくために、前提として「プロダクトとは何か」について触れておきます。

◇プロダクトとは

プロダクト(product)とは、製品、用品、商品などの意味を持つワードです。主にIT業界における対象システムや、マーケティングにおける対象サービスのことを指すことが一般的です。すなわちPdMは、これらのプロダクト進行におけるプロジェクトを統括して管理する立場となります。

◇PdMの業務

PdMのミッションは、プロダクトによって得られる利益を最大化させることにあります。そのために、例として以下の業務等を行います。

・ロードマップ、事業計画の策定

・マーケティング戦略の立案・実行

・プロダクト開発に伴う各種プロジェクトの進行における決裁

◇PM(プロジェクトマネージャー)との違い

PdMとの類語として挙がりやすいワードに「PM(プロジェクトマネージャー)」がありますが、双方は責任領域に違いがあります。

具体的には、PdMは前工程としてプロダクトの「目的」や「内容」を手掛けるのに対し、PMは後工程、すなわち「納期設定」「品質担保」「開発手段選定」など、目的達成のために細分化されたタスク管理が中心となります。両者の役割を比較すると、PMは、PdMのマネジメント領域を包括していることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

(PMの詳細については、当サイト別コラム「プロジェクトマネージャー(PM)の役割とは?主な業務・必要とされるスキルを解説▲リンク貼付▲」で解説しています。こちらもぜひ併せてご覧ください)

◇PdMとPMを兼任するケースも多い

それぞれの役割は異なるものの、日本ではPdMとPMを兼任し、プロダクト開発を進めるケースも往々にしてあります。主にIT人材の不足が背景といえますが、PdMとPMのミッションや、管理すべき対象はそれぞれ異なります。双方に置かれた目標を1人で全うすることも不可能ではありませんが、可能であればそれぞれにポジションを置く方が賢明といえるでしょう。

PdMが責任を持つべき業務範囲

PdMが備えるべきスキルセットについて解説するために、まずはPdMが管掌する業務の領域をご紹介します。大きく分けて、対社内と対社外の業務に分けることができます。

◇プロダクト開発推進業務

まずは、対社内の業務例です。

・プロダクトの背景…想定ユーザー、利用・購入導線の検討

・プロダクトの目的…提供するメリット、メリットを満たす機能の検討

・予算…活用できる予算の交渉や稟議

・影響範囲…開発規模、開発リソース選定

・リソース…アサイン対象の検討・決定

・スケジュール…リリース日程と、リリースまでの進行管理

◇ステークホルダーとの情報共有業務

もうひとつ、対社外を含む関係者との折衝業務も忘れてはいけません。プロダクト開発にはさまざまな関係者との調整や交渉が発生します。開発領域や広告領域、マーケティング領域など、自社のリソースによって関わるベンダーは変動しますが、各関係者とのスケジュール管理や、方向性の舵取りもPdMに求められる業務となります。

◇プロダクトマネジメントの一連の流れ

上記業務にあたり、PdMは以下のステップを踏みプロダクトを開発していきます。

・プロダクトのペルソナ検討

プロダクトを立ち上げる対象者を選定します。実現したいプロダクトの大枠イメージをもとに、対象となりうる市場をリサーチします。リサーチした情報をもとに、プロダクトの利用者(ペルソナ)を仮置きで設定します。

・プロダクトの計画~開発

対象者が固まったら、具体的な企画や機能を固めていきます。先ほど洗い出したペルソナのインサイト(プロダクトに求めること)を分析結果から推測し、インサイトを満たす機能を設計書として形にします。

・プロダクトの広告戦略設計

開発と並行し、プロモーションの戦略や手法も検討します。まずは、プロダクトと競合を比較し、自社プロダクトにどのような優位性があるのか、アピールすべきポイントを選定します。選定したポイントをもとに、ペルソナへどのように情報を伝えるか、伝達手法やメッセージも併せて検討します。

・プロダクトの評価

プロダクトを成長させるためには、PDCAサイクルを早く回す必要があります。そのために重要なのが目標設定です。必ずリリース前に、数値目標と達成スパン、ロードマップを明確にしておきましょう。その後、設定した達成スパンに合わせて、数値を満たしているか振り返りを行います。プロダクトの反響を可視化し、達成・未達成いずれにしても、どのフェーズに要因があったのか(ターゲットが誤っていた、ターゲットにうまく魅力が伝わっていないなど)を数値から推測し、次回の改善策を検討します。

PdMに求めるべきスキルセット

上記を満たすために、PdMに期待すべきスキルセットについて解説していきます。PdMの責務を満たすために必要なスキルセットは、大きく分けて、「技術観点」「マネジメント観点」「マーケティング観点」の3つに区分できます。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

◇技術観点

・UX/UIの視座

前提として、UXとUI、それぞれ端的に説明します。UXは顧客体験価値(例:「使いやすい」「スタイリッシュ」「たのしい」など、情緒的に得られるメリット)のこと、UIとはUXを体現するためのデザイン性のことです。顧客に選ばれるプロダクトは、双方の観点が重視されており、品質を高めるうえでUX/UIの観点は不可欠となります。とりわけ、UXはプロダクトの方向性そのものを決める要素となるため、UXの深い知見を持ち合わせているかは重視したいところです。

・開発スキル

上記のUXを体現する要素として、デザイン性だけでなく、プロダクト設計そのものも挙げられます。すなわち、UXを体現する機能を、実際にプロダクトとして形作るための力が必要となります。プロダクトをリリースする形態に沿って、開発手段や仕様書設計、コストやリソースを検討するだけでなく、ベンダーに外注する際もどのような手順を踏んで開発を進めるべきかを指示出しするうえでも、実際に手を動かして開発した経験があると即戦スキルとなります。

◇マネジメント観点

・コミュニケーション力

対プロダクト開発・推進にまつわる一連のチームメンバーや社外ベンダー、プロダクト決裁を取るための上層部など、プロダクト開発にはさまざまな関係者が存在します。関係者に対しての説明や交渉、提言、時にはトラブルを収拾させるなど、相手のモチベーションや行動を促すうえでは、コミュニケーション力もPdMには備わってほしいスキルセットのひとつです。

・進行管理能力

プロダクト開発を進めるうえで、スケジュール通りに進んでいるか進捗を確認するのも、PdMのひとつの役割です。そのうえでは、複数のプロジェクトを並行して進行管理した経験があると心強いでしょう。

・プロダクトへの熱度

共感できる理念や、実現したい世界観などを語れるリーダーと、そうでないリーダーの元では、チームの士気が大きく変動します。チームメンバーとして活躍された方なら心当たりがあるのではないでしょうか。チーム全体が同じベクトルを向けるよう、目指したい世界観を持っていることもひとつの要素といえるでしょう。

◇マーケティング観点

・分析スキル

市場ニーズをくみ取るうえで、情報を収集する手法は多く存在します。アンケートやデプスインタビュー、顧客情報の精査など、数多の媒体から得られる情報をもとに、仮説を組み立てることはマーケティングの基礎的な能力です。正しくニーズを把握するうえで、当スキルはマストといえます。

・質問スキル

もうひとつ、分析を行ううえで「質問力」は重要な要素といえます。正しい問いかけができなければ、ニーズを洗い出す情報は生まれません。質問の質を高めるには、知りたい情報から逆算することが必要なため、併せて何を知りたいかゴールを適切に定める視座も必要です。

PdMとの協業で気を付けるべきポイント

読者の皆さまの中には、これからPdMと関わりを持つ立場となる方もいらっしゃるかと思います。そこで当項では、実際にPdMへプロダクト開発を任せる場合を想定し、留意すべきポイントについても触れておきます。

◇人員配置と業務配分の配慮

先述の通り、PdMの責任領域は非常に広く、ともすると末端の仕事もPdMが抱えざるを得ない状況に陥りがちです。この現象は中小企業をはじめ、人手不足の企業に起こりがちなケースといえますが、本来の責務はあくまで「プロダクト開発全体の俯瞰とコントロール」であり、末端の業務まで行ってしまうのは本末転倒、また品質低下を招くリスクも秘めています。PdMがマネジメントに専念できるよう、チームの人員配置、ないしはPdMの補佐的人員を用意し業務分配を図るなど、役割分散は常に念頭に置いておきましょう。

◇期待値の認識すり合わせ

もうひとつ、PdMとの定期ミーティングでは、事実をベースにした期待値調整を心がける方が堅実です。希望のあるプレゼンテーションを受けると、プロダクトの発展性に過剰な期待を持ってしまうケースも少なからずありますが、PdMの想定していた結果との間にギャップが生まれてしまっている可能性もあります。認識のすり合わせが適切にできていないと、後々想定とのズレが生じ、コミュニケーションに齟齬が発生してしまうリスクもあります。あくまでも定量面で計れるデータをもとに、こまめな目線合わせを忘れずに行っておくことを推奨します。

PdM設置推進時に想定される課題

PdMの基本的な役割から、役割を全うするためのスキルセット、役割設置後に気を付けておきたいポイントについて解説しました。PdMは最近認知が浸透しはじめた役割のため、当コラムでは現状未設置、または設置を検討中の方を想定して解説を進めております。そのため、当コラムをお読みいただき、設置に向けて本格的に動かれようとされる方も中にはいらっしゃるかと思います。そこで最後にお伝えしたい項目として、設置時に挙がりやすい課題を挙げておきます。

・PdMたるスキルセットを持つ人材の獲得難

PdMのスキルセットを持ち合わせる人材は、IT人材の中でも非常に優秀かつ希少な人材のため、採用市場ではレッドオーシャンの領域です。多くの企業が獲得に苦戦しており、接点創出そのものを、悩みのタネとして挙げるケースも少なくないようです。

・獲得のためのコスト不足

こと無期雇用の場合、相応の年収レンジが求められます。一般的には500~1000万円程度が相場と言われていますが、PdMを必要とする現状に対して、すぐに十分な資金を用意することが難しいケースもあるでしょう。

・PdMの必要性の周知に苦戦

こちらは現場側の方が抱えがちのお悩みです。プロダクト開発をリードできる存在は、現場側からすると非常に心強い存在ですが、その有用性を上長はじめ関係部署に理解されず、設置されぬまま現場側が二足の草鞋状態で進めざるを得ないケースも存在します。設置のためのコミュニケーションをどう進めるかも、挙がりやすい課題のひとつです。

 

上記が課題例として挙げられますが、これらのお悩みに対する解決策のひとつとして、当コラムでは「フリーランスエンジニア」の活用を視野に入れてみることを推奨します。フリーランスエンジニアは、自社のリソースだけではな賄えない知見を取り入れることができるだけでなく、必要な課題・期間に合わせて協業できるスタイルのため、ランニングコストを抑えることができるメリットも備わっています。

なお、フリーランスITエンジニア専門エージェント「i-common tech」では、上流から下流まで、さまざまなスキルを有するエンジニアが2500名以上登録しています。プロジェクトの要件定義から、実際の開発フェーズまで、あらゆる経験を有したエンジニアが活躍しており、必ず現状の課題に合致したエンジニアと出会えるはずです。

さらに、個々の課題に合わせて、弊社コンサルタントが現状をヒアリング。適切な人材を単に紹介するだけでなく、どのような人材がいれば課題を解決できるかまでご相談に応じます。

プロダクト開発を成功に導くためのパートナーとして、ぜひ「i-common tech」をご活用ください。

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