コラム

ディープラーニングとはどのような技術?仕組みや学習方法などを解説

2021年11月29日
業界事情、トレンド

現在、自動運転や自動翻訳、AI家電はトレンドワードとして世間の注目を集めていますが、その根幹にはディープラーニング(Deep Learning)の技術が用いられています。自社事業の発展や技術革新に向け、ディープラーニングの活用を積極的に検討されている企業担当者様も多いのではないでしょうか。

そこで本コラムでは、ディープラーニングの概要説明からはじまり、その仕組みや学習方法、技術転用の将来性などについて詳しく解説します。

ディープラーニングとはなにか?

◇ディープラーニングとは

ディープラーニングとは、人間の脳神経を模した「ニューラルネットワーク」を活用し開発された、現代の代表的な人工知能とも呼べる機械学習の一つです。

ディープラーニングの特徴は、人工知能がデータを学習する際、データのどの部分に着目するかをコンピュータ自らが判断し、データから自動的に分析対象を判断するためのポイント(特徴量)を抽出できる点にあります。

ディープラーニングで分析可能なデータは、画像をはじめ、これまで数値化が難しかった音声や人間が日常的に使う自然言語(書き言葉・話し言葉)なども含まれており、現在多くの国際機関や企業で実用化に向けた研究が進行中です。

現在トレンドの自動運転技術やチャットボットを用いた自動返信機能などにも、ディープラーニングの技術が用いられています。

◇ディープラーニングと人工知能・機械学習の違い

ディープラーニングと混同しやすい単語に、人工知能と機械学習があります。それぞれ意味するものが違うため、以下に詳しく解説します。

・人工知能

人工知能とは、機械に人間と同様の知能を持たせることを目的とした技術や取り組みを指します。人工知能は一般的に「大量のデータに対して、高度な推論を的確に行うことを目指したもの」と定義されており、その点、後述する機械学習もディープラーニングも人工知能の一種として捉えることが可能です。

・機械学習

機械学習とは、人工知能にデータを学習させる手法の一つです。人工知能に自律的にデータを学習させることで、データの規則性を発見し、精度の高い分析や予測を実現できる点が機械学習の特徴です。ただし、データから分析対象を判断するためのポイント(特徴量)の指定は人間が行う必要があり、非定型データ(音声や自然言語など)の分析が困難なところが、機械学習の弱点と見なされています。

・ディープラーニング

その問題を解決したのが、人工知能の一つであるディープラーニングです。機械学習とディープラーニングの大きな違いとして、ディープラーニングは前述の特徴量を自動的に抽出できる点があげられます。これにより、人工知能へのデータ学習の精度が飛躍的に向上し、非定型データの分析の実現化をもたらしました。

◇ディープラーニングが注目される理由

このデータの特徴量を自ら見つけ出すことができる点こそが、現在ディープラーニングが注目を集める理由です。

日常生活で自動車を運転する場面を想像してください。私たちは運転中、歩行者や対向車、信号、道路標識、クラクションなど、膨大な量のデータを一瞬の内に脳内で検知・識別していますが、対象のドライバーに具体的にいつ、どのような点に気を配りながら運転(行動)しているのかを問い質しても、恐らく正確な答えは期待できないでしょう。こちらは、身の回りの家電を操作する際にも同様のことがいえます。

私たちは日常生活において、「暗黙知」と呼ばれる個人の経験や直感から成り立つ主観的な知識、あるいは簡単に言語化できない知識をもとに行動しています。ディープラーニングの活用により、そのような「暗黙知」を膨大なデータからパターンとして抽出することが可能となり、そのパターンを機械に学習させることで、自動運転やAI家電の実用化へとつながるのです。

「暗黙知」による人間の活動は、多岐に渡ります。熟練の職人や医師の技術なども、将来的にはディープラーニングの活用によって機械が完璧に再現する日もそう遠くないでしょう。人間が行っていた業務の効率化に寄与し、私たちの生活がより豊かになる可能性がディープラーニングに秘められている点において、今後、さらに幅広い領域での活用が期待されています。

ディープラーニングの仕組み

ディープラーニングの概要説明を通し、具体的にどのような仕組みなのか、興味を抱いている方も多いのではないでしょうか。本ブロックでは、以下2つのポイントに沿って、ディープラーニングの仕組みを解説します。

◇ニューラルネットワークの活用

ディープラーニングでは、ニューラルネットワークと呼ばれる、人間の脳のニューロン(神経細胞)の仕組みを数理モデルで模したネットワークをもとに学習しています。ニューラルネットワークは大きく、入力層と中間層(隠れ層)、出力層の三つから構成されています。

・入力層

人工のニューロンがはじめに情報を受け取るのが、入力層です。人間をはじめとする生物のニューロンは電気信号によって情報を受け取りますが、人工のニューロンは数値となります。

一例として、目の前の画像をニューラルネットワークに認識させる場合、入力層では、画像データの容量(ピクセル)などが数値データとして受け取られます。

・中間層(隠れ層)

入力層が受け取ったデータを受け、さまざまな計算を行うのが中間層です。中間層は「隠れ層」とも呼ばれ、層の数が多いほど複雑なデータの処理や分析が可能となります。その側面から、ディープラーニングは深層学習とも呼ばれています。

・出力層

出力層は文字通り、入力層と中間層でのデータの処理・分析結果を出力する層となります。画像を例にした場合、データのパターンを分析し、「これは犬の画像である」といった結果を出す役割を出力層は担っています。

◇ディープラーニングを実装するには

ニューラルネットワーク内にディープラーニングを実装するには、二つの段階(学習させる段階と判別させる段階)を設ける必要があります。

一例として、ニューラルネットワークをベースに音声認識を行うためには、最初にタグ付けした膨大な量の音声データを学習させる工程が不可欠です。そうして「学習済みのモデル」が完成すると、「判別させる段階」において、音声データを自動的に判別できるようになります。

現在、ディープラーニングには、さまざまな学習方法があるため、次の項目で代表的なものをいくつかご紹介します。

ディープラーニングのさまざまな学習方法

◇DNN

DNNは、Deep Neural Network(ディープニューラルネットワーク)の略称であり、文字通り、ニューラルネットワークの層を増やしたモデルのため、より人間の神経回路に近いデータ接続を行うことが可能です。少ないデータからより多くの特徴を認識できる点がDNNの特徴としてあげられます。

◇CNN

CNNは、Convolutional Neural Network(畳み込みニューラルネットワーク) の略称です。音声や動画データは識別できないという弱点はありますが、画像データに対して高いパターン認識能力を有していることから、主に画像認識に使用されています。

◇RNN

RNNは、Recurrent Neural Network(再帰型ニューラルネットワーク)の略称です。音声や動画データといった、長さや文字数、データの大きさなどが定まっていない「可変長のデータを扱える」ネットワーク構造を有したニューラルネットワークのため、主に音声・動画認識や自然言語処理(機械翻訳など)に用いられています。

RNNのデメリットは、長い系列データを学習させた際、「勾配消失」と呼ばれる、ある段階を越えると学習が進まなくなる問題があり、長時間のデータ分析・処理には不向きな点です。

◇LSTM

LSTMは、Long Short Term Memory(長・短期記憶)の略称であり、RNNが苦手としていた長期の時系列データも学習できるよう改良されたニューラルネットワークとなります。学習状況の保存機能(メモリセル)や不要な情報を削除する機能(忘却ゲート)が備わっており、効率的に学習を進められる点がLSTMの特徴です。

LSTMの技術は、スマートスピーカー(AIアシスタント機能を持ち、音声操作可能なスピーカー)にも搭載されています。

◇GAN

GANは、Generative Adversarial Network(敵対的生成ネットワーク)の略称であり、「生成」と「識別」の2つのネットワークから構成されています。互いに競い合わせる(敵対させる)ことで学習の精度を高めることが可能であり、実在しないデータの生成や、存在するデータの特徴に沿って本物と見間違えてしまうようなデータに変換できる点がGANの特徴です。

最近メディアでよく見かける、「この世にはもう存在しない偉人が喋る動画」や「昔の白黒写真のカラー変換」などにも、GANの技術が用いられています。

ディープラーニングでできること

ディープラーニングの活用によって、具体的にどのようなことができるようになったのでしょうか。以下4つの要素に分け、ご紹介します。

◇画像認識

ディープラーニングには、画像や動画内の各種データ(物体、顔、文字)の特徴を認識・検出できる、画像認識技術があります。SNSの顔認証や手書き文字の自動読み取りサービスなどは、画像認識の代表的な活用事例です。

◇音声認識

スマートフォンへの搭載により、急速に認知が進んだ「音声認識」にも、ディープラーニングが活用されています。コンピュータに音響モデルや言語モデルを用いて音声を解析させることで、声を出している人間の識別や音声データのテキストデータへの自動変換が可能になりました。スマートフォンやスマートスピーカーへの音声操作などに、音声認識の技術は活用されています。

◇自然言語処理

人間が日常的に使う自然言語(書き言葉・話し言葉)の処理も、ディープラーニングを用いてできることの一つです。機械翻訳や文書要約、正しい発音をチェックしてくれるアプリなどに、自然言語処理の技術は活かされています。

◇異常検知

異常検知は、標準パターンとは異なる挙動が出たものを分析・識別する技術です。ディープラーニングの特徴である、共通点や相違点を分析し、パターンを学習することで、工場内の故障検知や公共スペースにおける不審者の異常行動検知やクレジットカードの不正利用検知などが可能になりました。現在、異常検知の技術は、幅広い分野に用いられています。

ディープラーニングの未来(技術転用の将来性)

現在トレンドの自動運転、自動翻訳、AI家電などは、前述したディープラーニングの技術(画像認識、音声認識、自然言語処理、異常検知)なしに実用化は不可能です。

また、日本社会が直面している「高齢化・少子化による労働力不足」にも、ディープラーニングの活用が期待されています。なぜなら、ディープラーニングを活用したAIの活用が加速することで、単純労働に限らず、これまで難しいとされてきた付加価値の高い職人技のAIへの継承・代替も期待できるからです。

ディープラーニングの技術発展と共に、今後もより幅広い領域で、ディープラーニングの活用が広がっていくことでしょう。

まとめ

本コラムでは、ディープラーニングの概要説明をはじめ、仕組みや学習方法、技術転用の将来性などについて詳しく解説してきました。ここまでお読みになり、ディープラーニングの自社事業への活用に興味を持った方も多いのではないでしょうか。

ただし、ディープラーニングはさまざまな学習方法があり、事業ビジョン・目的に沿ったディープラーニングの技術転用は高度な知見が求められることから、AI人材の活用が不可欠です。

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