コラム

Pythonを使ったWebアプリケーションの開発の流れと企業が注意するべきポイント

2021年11月05日
システム導入

Python(パイソン)はプログラミング言語のひとつであり、近年では活用機会の多さから、習得必須言語として多くのエンジニアから人気を博しています。Pythonは一見、AI開発に特化された言語としてとらえられがちではありますが、Web(ウェブ)アプリケーションや、スマホアプリ(iOS、Androidなど)、デスクトップアプリなどをはじめ、実はあらゆる用途で活用できる汎用性を魅力に持ち合わせている言語でもあります。

特に、Webアプリ開発はPythonの得意とする領域であり、今も数多くのWebアプリがPythonで制作・リリースされています。そのため、現在Pythonでアプリ開発を検討されている方も多くいらっしゃることかと思います。

開発に伴い、課題としてあがりやすいのが、アプリ開発を内製化するか、あるいは外注するか、という点です。自社に技術力を保有していないものの、外注コストを懸念される場合や、あるいは自社で巻き取れる可能性がどの程度あるかなど、大いに迷われる方も決して少なくありません。

そこで当コラムでは、Pythonを活用したWebアプリ開発を検討中の方へ、実際のWebアプリ開発の流れや、自社内開発・外注と比較した際のメリット・デメリット、そして仮に外注に依頼することとなった際、事前に注意すべきポイントなどを解説します。

PythonによるWebアプリケーション開発の例

Pythonによって生み出されたWebアプリは数多く存在しますが、ここでは代表的なWebアプリを挙げてみます。

<アプリ例>

・YouTube(動画配信サービス)

・Spotify(音楽配信サービス)

・Instagram(写真・動画共有サービス)

・Dropbox(オンラインストレージサービス)

・Pinterest(写真共有サービス)

総じて、大手どころのWebアプリがそろっていますが、ここまで選ばれている背景には、Pythonが持つ利便性が影響しているといえます。次項で詳しくみていきましょう。

Pythonを使ってWebアプリケーション開発をするメリット

Pythonは需要の高さだけでなく、下記のような要素から人気を博しています。

エラーを引き起こしにくい

Pythonのコードは他コードと比較しても構造がシンプルなため、開発経験が浅いエンジニアがコーディングを制作しても、基本ルールさえ押さえておけば、エラーが起こりにくいメリットがあります。またコードの分かりやすさから、不特定の誰かが作成したコードでも手直しを入れやすいメリットもあります。

コンパイルが不要

数あるプログラミング言語の中には、プログラムを実行するうえで、コンパイラと呼ばれる作業手順を踏まなければならないものがあります。コンパイラとは、プログラムをコンピュータで読み込める形式に変換した後実行される方式のことです。コンパイラとして読み込める形式に変換することをコンパイルと呼びますが、コンパイルはエラーが起こりやすく、時間がかかることから、初心者にとってはやや手がかかることが難点です。Pythonではコンパイルを必要とせず、コーディングで完結できることから、初心者にも向いている言語といえます。

OSの種類を厳密に問われない

書き換えを必要とせずとも、シェアの高いOS(Windows、Macなど)間であればそのままコードを活用できます。Pythonは開発エンジニアにとって利便性が高い言語といえます。

汎用性が高い

Pythonには、実用性の高いライブラリやフレームワークが豊富に取り揃えられています。初心者でもこれらを活用することで、ゼロから書かずともある程度のクオリティで形にすることができます。

AIとの連動も可能

先述の通り、Pythonにはすでに豊富なライブラリがそろっており、機械学習やデータ解析、bot(ボット)機能など、AI機能と連動したWebアプリを開発することも可能です。

Pythonを使ってWebアプリケーション開発をするデメリット

メリットの多いPythonですが、弱点も存在します。

相対的に実行速度が遅い

先ほどの項で「Pythonはコンパイルが不要」と解説しました。この特性を持ち合わせている反面、全体的に実行速度が遅いといわれているのがインタプリタ言語です。Pythonはその例にもれないだけでなく、動的型付き言語という側面も持っています。そのため、他のインタプリタ言語と比較しても、特に実行速度が遅いことがデメリットとなります。

日本語版のサポートが少ない

Pythonのライブラリ・フレームワークは豊富なものの、ほとんどが英語版でリリースされており、日本語のドキュメントは多くありません。そのため、英語が苦手な方にとっては、扱いこなすようになるまでに負荷がかかることとなります。

Python Webアプリ

有名なPython開発・制作のフレームワーク

ここでは、Pythonの代表的なフレームワークを4つご紹介します。

Django(ジャンゴ)

最大の特徴として、Web開発におけるひと通りの機能性を網羅していることが挙げられます(フルストックと呼ばれる)。たとえば管理画面や開発のためのサーバー、ユーザー認証機能にストレージシステムなど、汎用性の高い機能が予め搭載されているため、はじめてアプリ制作を行う場合でも扱うやすいことが特長です。YouTubeやInstagramなども、Django で作られています。

bottle(ボトル)

仕組みが非常にシンプルであり、初心者にオススメのフレームワークといえます。また、「bottle.py」という1ファイルだけで構成されているため、非常に軽量なのも魅力的です。

シンプルな分、複合的に機能を盛り込む際にはあまり適していませんが、簡単な内容や、小中規模のアプリ制作を行う場合には扱いやすいフレームワークといえます。

Flask(フラスク)

こちらも必要最低限の機能を備えたフレームワークで、非常に軽量なことがメリットです。覚えることも少なく、初心者にも扱いやすいフレームワークとなっています。

Tornado(トルネード)

処理スピードの速さに強みを持つフレームワークです。同時接続を処理でき、特に静的ファイルの配信において、高速で処理ができる強みを持ちます。

Pythonを使ったWebアプリケーション開発は自社内開発?外注?どちらが良いか

自社作成・外注はどちらにもそれぞれの長所・短所があります。下記双方の側面を抑え、自社に合った選択を行いましょう。

アプリ開発を自社内開発する場合

・メリット

スピーディーさを求めるのであれば、自社内開発の方が進めやすいといえます。取り決めがすべて社内で完結する分、企画~技術部門同士の業務連携も取りやすいからです。また、外注よりもランニングコストを抑えられ、かつ運用時のPDCAをより早く回せるメリットがあります。ただし、それなりのクオリティを求める場合は、一定の技術力を自社に保有していないと開発は厳しいでしょう。

・デメリット

開発経験がない場合に限りますが、完全未経験の場合、ゼロから勉強のためのコストや時間がかかります。そのため、開発スケジュールがタイトな場合は向いていません。また、仮にエンジニアを獲得するにしても、エンジニア市場は売り手市場のため、獲得に難航する可能性があります。

アプリ開発を外注する場合

・メリット

外部の開発会社は専門集団のため、一定の知見・技術力を保有しています。クオリティ・スケジュールが事前に担保される分、開発に失敗するリスクは相対的に少ないといえます。また、規模の大きいプロジェクトを進めたい場合、自社内の人手だけでは足りないケースも出てきますが、外注の力を借りることで補填できるメリットもあります。

・デメリット

外注分のコストがかかります。開発後も不具合修正や改修を行うことは前提のため、その際にもコストがかかることは覚悟しておかなければなりません。

Pythonを使ったWebアプリケーション開発を外注する流れ

外注を行う際は、大きく分けて、企画段階(市場調査)から丸ごと任せるケースと、設計~開発など、プログラミングに関する専門知識を有するフェーズのみ任せるケースに分かれます。自社内だけではアイデア出しに行き詰まる場合や、技術力を持つ人材が不足している場合は、外部のアドバイザーから第三者目線で客観的にアドバイスを貰う方が賢明でしょう。

今回は、企画段階から外部と提携し開発を進めるケースを想定し、解説を進めます。

企画(市場調査)

使用者は誰なのかを明確にし、どのようなWebアプリを作りたいのかを検討します。一般公開も検討する場合は、併せて競合となりうるアプリ市場を分析し、差別化ポイントを洗い出します。自社内のみで使用するアプリであれば、市場調査の必要はありません。

要件定義~外注先選定

アプリのコンセプトが固まったら、コンセプトを満たすための機能や、構成・導線を考えます(要件定義)。併せて、要件定義に沿った開発を行うとどの程度コストがかかりそうか、数社から相見積もりを取り外注先を検討します。

アプリ設計~開発

要件定義で定めた構成を形作る要素を決定した後、プログラミングが施されます。この時、なるべく抑えておきたいのが、外注先との定期的な進捗確認です。進捗途中で、思っていた方向とズレが生じるケースもあるためです。特に完成して納品物をチェック~修正をかけることとなると、最悪当初のスケジュールが大幅にずれ込むリスクもあります。双方にとっても負担となりますので、こまめな合意形成は忘れずに行いましょう。

納品~運用

開発が完了したら、いよいよ納品~使用開始となります。ケースによっては運用も外注に任せる場合もありますが、自社で巻き取る場合は、開発時にどのようなコーディングを行ったかを確認するほか、使用したツールの引継ぎを行います。

Webアプリケーション開発の外注先を選定する際のポイント

最後に、外注先を検討する際、抑えておきたいポイントをご紹介します。

事前にアプリ開発機能の希望優先順位をつける

外注先を選定する前に、本当に必要な機能の順序を定めておくこともひとつのポイントです。というのも、予算によっては当初想定していた機能をすべて盛り込めない可能性もあるほか、仮に外注先に企画のみを丸投げした際、本来必要であった機能をカットされるリスクや、最悪の場合、余分な機能を知らぬ間にプラスされ、追加料金を請求されるリスクもあるからです。予め、どの機能は搭載したいか、社内で認識をすり合わせておきたいところとなります。

アプリ開発に伴うアフターフォローの有無

技術力に自信がない場合は、稼働後の修正対応や保守なども外部のフォローを受ける方が安心です。その際、どこまで修正対応を任せてもよいかの範囲や、追加料金体系が明示されているかをチェックしましょう。

類似アプリ開発の実績の有無

選定先を選ぶ上でのひとつの参考資料として、過去の開発経験が挙げられます。Webアプリとひと口にいっても、レビューアプリや検索アプリなどさまざまな種類があります。当然ながら、企業ごとに得意不得意もありますので、事前に自社で練った企画と類似した開発経験があるかをチェックしてみましょう。

Webアプリケーションを制作の際はフリーランスを活用する手も検討視野へ

ここまで、Pythonを活用したアプリ開発の手順について解説しました。自社内開発・外注を問わず、Pythonは利便性の高いプログラミング言語であり、今後も需要が増えていくだけに、積極的にアプリ開発推進を検討されている方も多いことでしょう。

さて、開発にあたり自社内開発と外注を迷われた際、第三の選択肢として視野にいれておきたいのが、フリーランスエンジニアを自社内開発プロジェクトの一員として招き入れるという方法です。フリーランスエンジニアと連携することで、自社プロジェクトとしてより強固な連携体制を築けるといった自社内開発のメリットだけでなく、雇用分のランニングコストが発生することもないといった、外注のメリットも得ることができます。

なお、フリーランスITエンジニア専門エージェント「i-common tech」では、常時2,500名以上の ITエンジニアが登録しており、保有するスキルも非常に多岐にわたります。

i-common tech登録層

要件定義~開発まで、自社に足りない領域にピンポイントでお力添えできるだけでなく、自社人材とのプロジェクトチームを形成することにより、技術・ナレッジの蓄積ができる点も大きなメリットとなります。少しでも当サービスが気になられましたら、まずはぜひお気軽にご相談ください。

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